女子テニスで元世界ランキング1位の大坂なおみ選手が、2024年1月1日のブリスベン国際(オーストラリア)で産後復帰を果たしました。大坂なおみ選手は2023年1月11日に第1子妊娠を発表し、同年7月に長女・シャイちゃんを出産。復帰戦となったブリスベン国際では468日ぶりの白星を飾り、今後の活躍が期待されています。そこで今回は、女子テニス界の産休制度や、産後復帰して活躍している選手についてまとめてみました!
女子テニス界の産休制度とは?
WTA(Women’s Tennis Association)は女子テニス協会のことを指し、女子プロテニスを統括する団体です。そのWTAは2018年にルール改正を行い、選手が妊娠・出産や、長い休止を擁する故障から復帰しやすいルールを整えました。その内容は、復帰後は子供の誕生から最長3年間「スペシャル・ランキング」(怪我などでツアーを長期離脱した選手を救済する目的のもの)の使用が認められ、大きな大会でのシード付けで特別措置が採られることも可能というものです。
産後復帰して活躍している女子テニス選手
テニスは世界を転戦する競技のため、出産後は続けるのが難しいと思われていましたが、最近は産休を経て復帰する選手も増えています。今回はその中でも復帰後にグランドスラムで好成績を収めている選手をご紹介します。
セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)
- 国籍:アメリカ合衆国
- 生年月日:1981年9月26日
- 年齢:42歳
- 身長:175cm
- 現役期間:1995年~2022年
- ツアー通算:96勝(シングルス73勝/ダブルス23勝)
- キャリア自己最高ランキング:シングルス1位/ダブルス1位
「女子テニス史上最高の選手」と称されているセリーナウィリアムズさん。男女を通じてシングルス、ダブルス両方でキャリア・ゴールデンスラムを達成した唯一の選手です。また、生涯獲得賞金は8000万ドルを超え、全女子プロスポーツ選手の中でトップに君臨。これまでに4大大会で39回の優勝を誇り、2012年ロンドン五輪ではシングルス、ダブルスで2冠を達成しています。セリーナ・ウィリアムズさんは2017年9月に長女を出産し、2018年シーズンより復帰。そしてその年の全仏オープンでは4回戦進出、ウィンブルドン、全米オープンでは準優勝し、見事カムバックを遂げました。
産後復帰してからの主な成績
- 2018年 ウィンブルドン選手権 準優勝
- 2018年 全米オープン準優勝
- 2019年 ウィンブルドン選手権 準優勝
- 2019年 全米オープン 準優勝
- 2020年 全米オープン ベスト4
- 2021年 全豪オープン ベスト4
ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)
- 国籍:ベラルーシ
- 生年月日:1989年7月31日
- 年齢:34歳
- 身長:183cm
- 現役期間:2003年~現在
- ツアー通算:30勝(シングルス21勝/ダブルス9勝)
- キャリア自己最高ランキング:シングルス1位/ダブルス7位
現在女子シングルス世界ランキング22位で、ベラルーシ人として初めて世界ランキング1位になったビクトリア・アザレンカ選手。4大大会のシングルスではこれまでに2012年と2013年の全豪オープンで優勝、2012年、2013年、2020年の全米オープンで準優勝しています。ビクトリア・アザレンカ選手は2016年12月に長男を出産し、2017年7月にツアーに復帰。直後のウィンブルドンでは4回戦進出を果たしています。しかしその後はパートナーと別れ長男の養育権争いのためにツアーを離れ、2018年3月に再び復帰しました。
産後復帰してからの主な成績
- 2023年 全豪オープン ベスト4
タチアナ・マリア(Tatjana Maria)
- 国籍:ドイツ
- 生年月日:1987年8月8日
- 年齢:36歳
- 身長:172cm
- 現役期間:2001年~現在
- ツアー通算:7勝(シングルス3勝/ダブルス4勝)
- キャリア自己最高ランキング:シングルス42位/ダブルス54位
現在女子シングルス世界ランキング42位で、キャリア自己最高ランキングを記録しているタチアナ・マリア選手。2022年のウィンブルドンでは初のベスト4進出を果たしたとともに、オープン化以降の同大会で初めて準々決勝に進出した最年長の選手としても話題となりました。タチアナ・マリア選手は2児のママであり、2021年に第2子を出産後に復帰。復帰後はキャリアハイを記録するなど安定した活躍を続けています。
産後復帰してからの主な成績
- 2022年 ウィンブルドン選手権 ベスト4
キム・クライシュテルス(Kim Clijsters)
- 国籍:ベルギー
- 生年月日:1983年6月8日
- 年齢:40歳
- 身長:174cm
- 現役期間:1997年~2022年
- ツアー通算:52勝(シングルス41勝/ダブルス11勝)
- キャリア自己最高ランキング:シングルス1位/ダブルス1位
女子ダブルスで杉山愛さんと組み2001年のウィンブルドンでは準優勝、2003年の全豪オープンではベスト8という成績も残しているキム・クライシュテルスさん。4大大会のシングルスではこれまでに2011年の全豪オープン、2005年、2009年、2010年の全米オープンで優勝しており、ダブルスでも2度グランドスラムを制しています。キム・クライシュテルスさんは2008年2月27日に長女を出産し2009年8月に復帰。そして2013年9月に長男、2016年に次男を出産し、2020年に再び復帰しています。キム・クライシュテルスさんの産後の活躍はセリーナ・ウィリアムズさんらの産後復帰にも大きな影響を与えたと言われています。
産後復帰してからの主な成績
- 2009年 全米オープン 優勝
- 2010年 ウィンブルドン選手権 ベスト8
- 2010年 全米オープン 優勝
- 2011年 全豪オープン 優勝
- 2012年 全豪オープン ベスト4
まとめ
今回は、大坂なおみ選手の復帰で注目を集めている女子テニス界の産休制度や、産後復帰して活躍している選手についてまとめました。大坂なおみ選手の場合は、子供の父親と言われているアメリカ人ラッパーのコーデー・ダンストンさんとは破局したとの噂もあり、大坂なおみ選手の母親である環さんがツアーに帯同して長女の子守を担当しているのでしょうか。テニスに限らず、ママさんアスリートとして活躍するためには家族の助けは必須です。大坂なおみ選手他、母とアスリートの二つの顔を持つ女子テニス選手のこれからの活躍に期待しています!