スカッシュのルールと試合形式まとめ!試合中にどこ見ればいいの…?
2020年夏季オリンピックの新種目候補となり、2024年のパリ五輪での正式種目入りが期待されているスポーツがスカッシュ。
立体的なコートを縦横無尽に駆け巡り、運動量はテニスの倍とも言われることから愛好者の数も増加。愛好者は30万人を数えるほど拡大しています。
そんなスカッシュを観戦して楽しむにはルールを理解することが必要。スカッシュのルールと、会場で試合を見るポイントについてご紹介します。
スカッシュのルールとは?
ルール説明vol.3
「コートにあるラインって?」スカッシュコートには何本ものラインが引かれています。
それぞれ名称があり、コートを使える範囲を示しています。自分が打ったボールがコート範囲外に当たってしまうとアウト、、対戦相手にポイントが入ります。
詳しくは画像をチェック! pic.twitter.com/8SS3C58SzD
— JSA スカッシュアンバサダー (@squash2018) August 27, 2018
スカッシュの勝敗の決め方は?
スカッシュは、同じ空間内にいる対戦相手と、真正面の壁にあてたボールを交互に打ち合うスポーツです。
相手がワンバウンドまでに打ち返せなければ得点を獲得し、11点先取すれば1ゲーム先取。
5ゲーム制なら3ゲーム、3ゲーム制なら2ゲームを先取した選手の勝利です。
スカッシュのゲームの流れ
スカッシュの試合の流れを解説します。
サーブ権を決める
ゲームスタート時、最初にサーブ権を決めます。
どちらかの選手がラケットをスピンさせ、表裏どちらが上に出たかによりサーブ権を決定します。
サーブ
サーブ権を獲得した選手が、地面にワンバウンドさせたボールを正面の壁・フロントウォールに当てるとゲームスタートです。
サーブはコートの中央左右にある「サービスボックス」に片足をつけた状態で打たなければならず、サービスボックスから足が離れている、もしくはラインに触れている状態でサーブを打つとフォルト(反則)を取られます。
- テニスと異なりセカンドサーブはなく、1回失敗すると即座に相手に得点が入ります。
サーブで打ったボールは、フロントウォールの「サービスライン」と「フロントウォールライン」の間に直接当て、サーブを打った選手がいるサービスボックスとは反対側のボックスが含まれるショートライン・ハーフコートラインに囲まれたエリア内にバウンドさせます。
この際、サイドやバックウォールに当ててからバウンドさせても構いません。
リターン
対戦相手は、サーブされたボールがノーバウンドまたはワンバウンドの間に打ち返し、バウンドさせずにフロントウォールに返します。
バウンドは床に当たった回数のみをカウントするため、サイドやバックウォールに当ててからフロントウォールに当てるのも有効です。
得点
リターンしたボールが下記の状態となった場合にはアウトとなり、相手に得点が入ります。
- 相手の打った有効なサーブ・リターンがツーバウンドする前に打ち返せなかった場合
- リターンしたボールがフロントウォールに届く前にツーバウンドした場合
- リターンしたボールがフロント・サイド・バックのウォールラインを越えた場合
- リターンしたボールがフロントウォール下部の「ティン」に当たった場合
なお、スカッシュでは線上に当たった場合はアウトと判定されるため、各ラインの内側に当てなければいけません。
妨害の判定
スカッシュはシングルスなら2名、ダブルスなら4名の選手が狭い空間の中で同時にプレイします。
相手が邪魔になって返球できないケースが生まれるため、選手は妨害されたと感じた際には「レット プリーズ」と宣言し、審判に判断を仰ぐことができます。
審判は選手から宣言を受けたなら、ボールの行方、選手の位置や行動を判断し判定を行います。
- 適切なプレイの中で生まれたやむを得ない妨害=レット(やり直し)
- 相手の不適切な動きに寄る妨害=ストローク(得点)
- 相手の動きが妨害には当たらず、返球できなかった=ノーレット(失点)
ゲーム進行
サーブとリターンを繰り返し、得点を11点先取した選手がそのゲームを獲得します。
ただし、10対10になった場合は2点差をつけなければゲームを取れず、交互に得点を繰り返す限りゲームは継続されます。
一般的な大会では5ゲーム制で行われ、3ゲームを先取した側の選手が勝利となりますが、大会によっては3ゲーム制で2ゲーム先取が勝利条件とされます。
会場で見るポイント
スカッシュはプレイするだけでなく、観戦するのもエキサイティングな競技です。
しかしどんな場所でやっていて、どんな観戦方法がるのかよくわからないかもしれません。会場で観戦するポイントをお伝えします。
会場①:公共施設内のスカッシュコート
全国では毎週のようにスカッシュの大会が行われており、その多くは公共施設にあるスカッシュコートで行われています。
屋内の設備のため、フロント・サイドウォールは壁、背面のバックウォールだけガラス張りという施設が一般的。
観客もバックウォール側からのみ観戦できますが、規模によっては明確な観客席が用意されないこともありますので、周囲の方と譲り合って観戦するようにしましょう。
会場②:ガラスコート
近年では、全面ガラス張りのスカッシュコートが誕生し、多くの観客がスカッシュ観戦を楽しむことができるようになりました。
このガラスコートは分解し、現地で設営することができるため、大会の会場をスポーツ施設に限定する必要がありません。
2018年の全日本選手権では、横浜にある商業施設「トレッサ横浜」で決勝が行われ、施設を訪れた多くの客の目の前で激しい試合が繰り広げられました。
会場を限定しないことから、スポーツ観戦施設ではないところでも大会が行われます。
飲食の有無、歓声の可否など観戦のルールはその会場のルールに従うように注意が必要です。
試合の見方
スカッシュは対戦スポーツであることから、全力で戦う両選手により様々なドラマや奇跡的なプレーなど多くの見どころが生み出されます。
スカッシュの試合を楽しめるポイントを押さえていけば、さらにスカッシュを深く楽しむことができるでしょう。
高速のスピードと多彩な技術の応酬を堪能
スカッシュのボールスピードはかなりの高速。
男子選手の中には、サーブの速度が時速200kmを超える選手もゴロゴロいると言われています。狭いコートの中で応酬される高速の打ち合いは迫力満点です。
またスカッシュの攻防はスピードだけでなく、相手を出し抜くためのテクニックも重要。
テニスのドロップショットのように、パワーショットのやり取りの中に挟まれる緩急の効いたショットが試合の行く末を決めることも珍しくありません。
鍛え上げられたパワーから生み出されるスピードと、相手選手の裏をかく技術と思考の読み合いは、細かいルールはわからなくても見ごたえ十分です。
試合展開に応じて動く選手の状態を読みとる
点数が動くにつれ両選手の感情にも変化が起こり、プレイ中の動きが変わっていくことがあります。
点差が開けば焦り、縮まれば追われる側にミスが出始めるといった精神的なプレッシャー、2ゲーム連取した選手に疲れが見え始めます。
対戦相手の反撃が始まるといった、精神的・肉体的な変化と、それに伴う試合展開の動きはまさにドラマといってもいいですね。
また反対にどんな状況になっても全く動じない鉄の精神力を持つような選手を見れば、その強靭さに思わず驚きの声を上げてしまうかもしれません。
選手の個性を知ろう
スカッシュの一流選手はそれぞれ強烈な個性を持っており、試合中にもその個性を存分に発揮してくれます。
スカッシュはボールをラケットで打つというシンプルな競技ですが、その中でもプレイスタイルは様々。
その選手の特徴を知ることで、より深く観戦を楽しめるようになるでしょう。
全日本選手権5連覇を成し遂げた”絶対王者” 机 龍之介(つくえ・りゅうのすけ)選手は基本ショットであるドライブを中心に相手の攻撃を受け続けミスを誘うスタイル。
端正なルックスで見せるクールな表情に、女性ファンも多いようです。
その机選手が持つ5年間無敗の記録をストップさせた遠藤共峻(えんどう・ともたか)選手は、同じドライブ使いでありながらパワーを前面に出すスタイル。
試合中も感情を爆発させる情熱的な戦い方を見せてくれます。
スカッシュ界のレジェンドとして名を馳せているのが松井千夏(まつい・ちなつ)
左利き、バンダナをトレードマークにして活躍していた松井は今年4月に第一子を出産。
しばらく第一線を離れていましたが、2019年12月に発表されたジャパンランキングでは9位に復帰。2020年の活躍が期待されています。