スカッシュはテニスに似た球技の一種です。専用の施設以外ではあまり見る機会がなく、なじみのない方も多いかもしれません。世界的な競技人口は2000万人を超えるといわれており、2028年に開催されるロサンゼルス五輪から正式種目として採用されています。
こちらの記事では今後注目をあつめるであろうスカッシュについての基本情報や注目の日本人選手を紹介していきたいと思います。
スカッシュの歴史
スカッシュは1800年代前半イギリスで生まれました。起源は囚人が刑務所内で始めたとされおり、その後、寄宿学校ハロウスクールの生徒たちのあいだでプレイされるようになり、1900年代初頭にはイギリス全土に広まっていきました。
1930年にはスカッシュの全英選手権が開かれるまでに人気となり、現在はブックメーカーでの賭けでも人気の競技となっています。
日本には1970年頃に持ち込まれたといわれており、1980年には日本スカッシュ協会(JSA)が設立されています。日本スカッシュ協会によると、日本国内の競技人口は現在推定10万人とされ、当初は10コート程度しかなかったスカッシュコートも、現在では約300のコートが存在しています。
スカッシュってどんな競技?
スカッシュの主流はシングルですが、ダブルもあり、1対1もしくは2対2で対戦します。専用コートの床と壁にはラインが引かれており、選手は床に引かれたサーブ用のライン内から、壁に引かれているライン内にボールを当て、交互に打ち合います。壁に囲まれている狭い空間の中でボールを打ち合う為、返ってくるボールに反応する瞬発力や、動き続ける心肺機能が求められます。
スカッシュの設備
スカッシュをプレイするには専用のコート、道具が必要となります。ルールを見ていく前にまずは使われている設備、道具の詳細を見ていきましょう。
コート
主流となっているシングルのコートは縦:9.75メートル、横:6.4メートル、高さ:5.64メートル以上というテニスコートの四分の一ほどの大きさです。観客が試合を観戦できるよう四方の壁は安全ガラス等透明な素材で作られています。
ラケット
形状はテニスラケットに近く、サイズはバトミントンのラケットほどのラケットが利用されます。重さは100g~150g程が主流となっています。
ボール
直径約4センチメートル、24グラムのゴム製のよく弾むボールが使用されます。
アイガード
剛速球から目を守るため、19才未満のジュニア選手にはアイカードといわれるゴーグル型の器具の着用が義務付けられています。19歳以上であってもクラブによっては着用が推奨されている場合もあるようです。
スカッシュの基本的なルール
基本的なルールは以下のようになっています。
- 1ゲーム11点先取(2点差が必要。1点差の場合はデュース)3ゲーム先取した方が勝利
- 正面の壁の枠内に必ず1回バウンドさせ交互に打つ
- 相手が打ち返せなければ得点を獲得する
- 自分が打つ前に2回以上バウンドすると相手の得点となる
- サーブ時は床のサーブの線内に片足または両足を付けている必要がある
- 相手の打つ番に接触や妨害があるとレットやストローク(相手の得点)となる
- 試合は通常30分程度だが接戦で5ゲームにもつれ込んだ際1時間半程度となる事も
日本人メダル候補は
スカッシュのオリンピック日本代表の選考は2026年に完了する予定となっており、現時点で代表選手や日本選手枠の数は未定となっています。2025年現在のPSA(プロスカッシュ協会)の世界ランキングを元に、メダルが期待される日本トップの選手、男女それぞれ2人紹介したいと思います。
渡邉 聡美(わたなべ さとみ)選手
2025年6月現在、日本人選手として唯一世界ランキングでトップ10入りしている。マレーシアやイギリスでのスカッシュ留学経験あり。
世界ランキング:7位
出身地:神奈川県
生年月日:1999年1月15日
利き腕:右
緑川 あかり(みどりかわ あかり)選手
2024年には全日本選手権優勝しており国際試合での経験も豊富。現在19歳で、今後の活躍にますます期待が持てる選手。
世界ランキング:106位
出身地:千葉県
生年月日:2005年8月15日
利き腕:右
机 龍之介(つくえ りゅうのすけ)選手
2022年以降世界ランキング100位入りをキープしている安定感のある選手。全日本選手権5連覇の経験もあり。
世界ランキング:50位
出身地:神奈川県
生年月日:1997年8月13日
利き腕:右
遠藤 共峻(えんどう ともたか)選手
日本ランキング最高位1位、世界ジュニアランク3位、全米大学団体1位と華々しい経歴を携えた選手。
世界ランキング:109位
出身地:オーストラリア ブリスベン
生年月日:1995年1月28日
利き腕:右
まとめ
近年サーフィンやスケートボード等、新しい競技が五輪の正式種目として採用され注目を浴びましたが、スカッシュもロス五輪の競技となり、競技人口や観戦者の増加が予想されています。ロス五輪を前に、スカッシュブームを先取りしてみてはいかがでしょうか。


